toonice2009-12-30

2009年は自分なりの道を見つけられた一年だったと思う。
去年あたりまでの自分はある程度変に見られない映像を作ることは出来ても、
誰かにひっかかるような映像を作ることが出来なかった。
目の前にあるものを自分のフィルターを通さず、
ただありのままにしか見せられないという、アイデアとか想像性のあるものではなかったと思う。
なので、色々転機となった今年の仕事をざっと振り返る。


YOUR SONG IS GOODのDVD「PLAY ALL!!!!!!」は膨大な情報と、10年間のつながり、
そしてこの先、あえて未来とは言わない先の話を、真っ正面から目を背けず、
気の遠くなるような作業をJxJx(ジュンくん)とほぼ二人で作った。
発売延期を何度もした僕らを支えてくれたカクバリズム角張には本当に感謝です。
他人の人生を覗き見ること、そしてそれを形作ることの難しさをまざまざと見せつけられた。
人生の奥深さ、厳しさなんて僕に分かるようなものではないと思うが、ちょっと垣間みた作品だったと思う。
僕はただ笑うことしかできない。
本当にYOUR SONG IS GOODに出会えて人生は変わったし、
自分にかけがえのない様々なものを貰った恩返しがこの作品で少しでも出来たらと思います。
最高の仕事でした。
この映像はPLAY ALL!!!!!!とは関係ないです。



次にCOMEBACK MY DAUGHTERSのDVD「EXPerience TOUR FINAL」
YOUR SONG IS GOODがかけがえのない先輩だとしたら、
COMEBACK MY DAUGHTERSは最高のから騒ぎが出来る仲間で、
ずっと長い間一緒に作品を作りたかったバンド。
YSIGもそうだけど、彼らのレベルに自分が追いついていなかったせいで、
一緒に何かをつくるのにずいぶん時間がかかってしまった。
「EXPerience TOUR FINAL」は渋谷AXのライブをパッケージ化したものなんだけど、
なるべくただのライブ映像にならないようにというか、
自分がやりたいライブ映像(機材、カメラ台数、配置など)をほぼ希望通りにやらせてもらった作品。
快諾してくれたPIZZA OF DEATHのダイシくんには感謝です。
インカムで指示だしながら「Cosmic Rays」大泣きした。
自分の中にある規模を大きく上回れた作品だと思う。
最高のライブ映像が作れた、


ここからはPVで
the chef cooks meの「Generation transformation」
親友で最高のデザイナー大原大次郎くんと一緒に作った作品。
the chef cooks meのシモ(リョーちゃん)は下北沢ERAで初めて会って、
カムバックの元祖弟分として仲良くなった間柄です。
PVというメディアに、ドラマでもない、
ただ雰囲気の良い場所でただ演奏シーンを見せるだけのものではない、
カラフルで先が読めないアイデアがつまった自分なりのPV感を初めて形に出来た作品。
この作品を作れたから今の自分のスタイルがある。
初めて身近な最高のアーティストに認めてもらったような気がする。



次にWe Are!「Pain part2」
本当に昔からの付き合いのバンド。
自分たちの世界観と世間に折り合いを付けたりしない
最高のバンド。
ボーカルの板垣くんの歌詞はスミスのモリッシーのよう。
この世界観に負けない強い映像を作りたいと思った。
歌詞は夜っぽい世界だったけど、夕暮れのマジックアワーにさしかかる時間に、
撮影した。
最後に風景がガラリと変わる、その瞬間に自分もうっとりした。
最後のシーンは海の方が良かったと昔の彼女に言われたが、
アンドレイ・タルコフスキーの言葉に「海は広過ぎて自分映画に向かない」という言葉を思い出しので海にしなかった。
だからタルコフスキーサクリファイスをイメージした。
昔の仲間から現代の仲間までにつながれた作品でした、



次にyour gold, my pink「Are you sensitive?」
またく知らないバンドからのオファーは結構久しぶりで、
ライブを観た事もなく、メンバーと話もしないまま撮ったビデオ。
後に仲良くなるFLAKE RECORDワダくんが激押ししていたり、
USインディーの趣味が近そうなので、引き受けました。
カメラ据え置き一発撮りにこだわったビデオ、
これはテオ・アンゲロプロスの「こうのとりたちずさんで」イメージ
すべてのシーンにギミックを散りばめたせいで、
本当に自分の画コンテの世界が現実のものになるのか肝を冷やした。
しかし、本当にyour gold, my pinkのメンバーが頑張ってくれて出来た。
この前初めてライブ観たら、色彩的でかっこ良かったし、大阪行ったときもライブハウスで会えて嬉しかった。



そしてDVDに戻って、
サイプレス上野とロベルト吉野のDVD「WONDER WHEEL THE LIVE」
ヒップホップの世界に知り合いはこのサ上周辺しか居ないし、
ヒップホップに特に通じてる訳ではない自分を指名してくれて本当にうれしかった。
ライブも素晴らしくて、NEXT EPISODEで撮影しながら泣いた。
上野とは良くイベントの打ち上げや合コンで一緒になったりと、普段から良く会うんだけど、
何の要望もなかったので、好き勝手やりました。
意外にヒップホップのDVDとかって、どメジャーな人でもない限り、
カメラ10台とか入れないようで、
これも諸々快諾してくれたP-VINE佐藤さんありがとうございます。
彼らのヒップホップに対する愛情に負けないくらいの愛情をこのDVDには注ぎ込んだつもりです。



そして今年最後の仕事になったPV
asphalt frustration 「money makes the world go round」
このバンドは昔LITTLE MASTAのPVを作ったときからの友人のNiw!Recordsのタカヒロックからのオファー。
観た事ないバンドだったんだけど、the chef cooks meのリョーちゃんが仲良いということでやりました。
タイトルがこの金次第みたいな感じだったので、
なんとなくホームレスがゴミを漁り、色々変わってくみたいないメージが浮かんだ。
ホームレス風の衣装を貸してくれた山田君ありがとう。
バンドがハイファイな感じだったので、LOWな要素をふんだんに入れた。
イメージはレオス・カラックスの「ポンヌフの恋人
今回はタイミングを計るのが大変な上に野外なので、
またもや本当に自分の画コンテの世界が現実のものになるのか肝を冷やした。
最大の見所は上から人が降ってくるところなんだけど、人に見えるのかどうか未だに悩んでたんだけど、
昨日マイメンのコッチくんに凄い良かったと言われて安心しました。
そしてデジタル一眼のカメラのCanon 5Dで撮影出来たのもよかった。
画質はVampire Weekendの新しいビデオをイメージした。
初のストーリーもの。



もう死んでも良いなんて何度も思った。
2010年迎えたくない、時計をとめて、