8月31日(土)

今日はアンチノックにナインデイズ、ゼアイズなどを見にいこうと思っていたが、以前このようなメンツのライブがロフトであって、そうっ、6月9日のラストウィッシュ。ロックの日。当日券一切出なかった。何でも500入ったそうな。今回もチケットを持っていなかったので、潔く諦め、家にいた。

なんか休日は人に会いたいなど、非弱った考えがずっとあったのだが、ウォーターボーイズで、最後の夏を迎えた。それでは寂しいので先週見た「火まつり」とう映画の事を話そうと思う。監督はゴッドスピードでお馴染みの柳町光男、脚本は中上健二、音楽は武光徹、撮影は田村正毅。などなど。熊野の山と海を舞台に、そこで生活する人間の模様を描いたドラマだ。もちろん柳町、中上が書いている訳だから、バイクも淫売もセックスも殺人も登場する。それはいいとして主演の北大路欣也は最初と顔付きが全く違って山の神が乗り移ったの如く、異様な迫力があった。この映画には、キャスト、いや観客までもが物語の中の神と人間が共存する土地に取り込まれていくような、人間を超えた神がかり的な魅力が写し出される。映画の中に神秘や純粋なものは定着しない。一度映像に定着した存在は色相も材質も様々に異なる膜によって幾重にも覆われる。しかっしこの火まつりの中には例外的にも神の姿が写し出されている。これを奇跡と呼ばずになんと呼ぼう?
愛だの恋だの友情だの裏切りだの事件だの、そんなものを用意しなくとも、日本には美しい歴史、風景がある。これはアメリカには絶対にないものだ。だからアメリカに何の引け目を持つ事なんてない。NO,と言ってやろう。僕達はこの歴史や風景を胸に留め、かけがえのないものとして忘れてはならぬ。