4月11日(木)

書く事がないので、随分昔にした痴漢電車の話をしようと思います。
前回のエピソード:高校の時、松戸の予備校に通っていた僕は朝、電車の中で痴漢に遭っている女子大生に遭遇。近くに立っていたババアに無理矢理人助けをする事になった僕は止むなく知り合いの振りをして痴漢を撃退する。さあ舞台は松戸。さえない高校生と花の女子大生の物語。
電車を降りると、女子大生「あ、あの、何処かで…。」その女子大生は照れ隠しをしているのか、それとも本当の何処かで会っているかもと思ったのか?18のガキにはそんな事分かる筈もなく、(当然今も分からないが) 「いや、あの何か困っていたようなので…」と言った僕は驚く程滑舌が悪かった。話は逸れるがその女子大生は井出薫を少々悪くしたような顔だった。暫くの気まずい無言の空間に絶えられなかった僕は、「もう授業が始まってしまいますので、」とそう言って立ち去ろうとしたその時、「あの、お礼がしたいんで、時間ありませんか?」と彼女。ウォークマンの中で流れるJOJO広重が、「君が死ねって言えば死ぬから」と囁く。もう堪えきれず、好きです。一緒に逃げましょう。大学も予備校もどうでもいい。もうノイズなんか聴きません、ハードコアなんかもっての他です。もうすぐ卒業だね。その時、スティングのシークレットマリッジがBGMです。東北の誰もいない山間部で一緒に暮らしたい。など様々な二人の将来を考えたがしかし、根性無しの僕が発した言葉は「いや、本当にいいですから。」と言い、駅の階段を駆け上り、予備校へ。そこに残された彼女は…、甘酸っぱい経験でした。
しかしその後も毎朝同じ電車の為、気まずい思いが続き、とうとう大学受験は諦め、美大受験へ、と乗り換えました。まあその人が通っていた大学はS大学という女子大で、かなり大嫌いな人種が大勢いたので爽やかに諦めました。彼女のおかげでその年の受験は失敗しました。しかし井出薫。大好きだったのに。 (続く)